もう一度凱旋門賞を振り返る

まぁいろいろなところで振り返られているんですが、もう一度自分なりの考えをまとめると、
今回の敗戦は「ディープインパクトスターシステム」がもたらした敗戦だったのかなと。
確かに今までの競馬の常識を覆すような競馬、勝ちっぷりを示してきたわけですが、ナリタブライアンや、トウカイテイオーミホノブルボンの時にもなかったスターシステムが発動していた。
そしてその雰囲気に陣営も呑まれ負けることさえ許されない馬になってしまい、本来参戦すべきであったJCに参戦することもかなわず、有馬記念の敗戦も正当に評価されることがなかった。
この負けることが許されない状態では遠征してのステップレースを使うことすらはばかれる状態だったので、前哨戦を使っていればというタラレバもはっきりいってありえない。
「飛んだ」「飛ばなかった」といわれるディープの走りであるけどもこれで全12戦中3度は(弥生賞有馬記念・今回)「飛ばなかった」わけであり、そこのところをもう少し考えていく必要があるのではと思う。
ここの点を適正といっていいのか、臨戦態勢というべきなのか共通してるのは微妙なレース間隔であるということぐらいか。
有馬と今回はG1とG1の間で間隔が微妙に開いているが馬体を緩めることはできないといったことか。

あと武豊の騎乗についてははっきりと失敗だったと思ってます。
小頭数でペースメーカーもおらずスローの可能性が高いといわれていたわけですが実際は2:26.3(レーシングポストより)というロンシャンとしては結構速いペースのレースだった。
これが2:31.7というロンシャンが出してる時計どおりならまだしょうがないかなとは思うけど、映像を見る限りそんな遅い時計ではないということだと先行策は失敗といわざるを得ない。
ただこれも「スターシステム」の弊害だったともいえるわけで、こういう正攻法の競馬を国内で試すことが許されなかった。
逆にハーツクライは負けを重ねながら追い込み一手だったのが内差し(JC)、先行(有馬)、逃げ(シーマクラシック)と戦法の幅を広げていった。
僕自身ディープの評価はハーツクライとほぼ同等もしくはむしろ少し落ちるぐらいという評価をしていたので、すでに日本競馬史上最強馬という煽り自体に疑問を持っていたし、今も持っている。(ただし競馬史上でもかなり上のランクであることは間違いない)
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おりたさんの凱旋門賞の負けをどうとらえるのかという点では僕自身は単純に「ディープインパクト凱旋門賞というレースに負けた」でいいと思ってます。
で何度もレースの映像を見ていると一度差されてなお差し返して最後力尽きたのを見ると単純に力が足りなかったでいいと思うんですよね。
だいたいすれ違い続けてるとはいえハーツクライにすらまだ勝ってないんですから。

追記 僕が言う力ってのは馬の力ももちろん、厩舎、スタッフ、当然騎手も含めてってことですけどね。
大体これだけみんな色々振り返っている時点で誰もが今回のレース、遠征、ステップがベストだったと思ってないって事でしょうから。