FC東京−千葉 劇的な凡戦


引越しして時間もあったので国立に参戦。今なら1時間圏内にフクアリ、柏、国立があって、1時間半ならそこに味スタ、横国、三ツ沢、平塚、埼スタなんかも入ってくるんで観戦という意味では便利になった。
ってなわけでレビュー開始
東京五輪のセレモニーで鈴木大地が聖火点灯なんてイベントもあったけどなw

さらに東京ゴール裏では「TOKYO2016」なんてダンマクも

試合の方は、東京が4−4−2のような4−2−3−1、守備時は4−4−2、攻撃時は4−2−3−1みたいな形かな。一方の千葉は斉藤をアンカーにおいた4−1−4−1だった。
試合の方は序盤東京が、左カボレ、右石川と左右をワイドに使った早い展開のサッカーでチャンスをつかむ。そして右から左に流れていた石川がドリブルで中に切れ込み見事なシュートで東京が先制する。しかしそこからお互い低調な内容に終止する。
東京はボランチにルーキー米本と羽生を起用していたが、米本は対人プレーでは光るものを見せたが、パス出しという面ではまだまだで雑なパスが目立った。また、羽生は展開力というよりはスペースへ出て受けることに特長がある選手。また、バックラインの佐原、今野も展開力は微妙と、結局サイドに開いたカボレ、石川に入らないとサッカーにならない。そうして展開で梶山は試合開始当初こそクロスに飛び込むなどしていたが、流れから消えていく。運動量等色々言われることの多い梶山だけど、これだけゲームが作れない展開だと、ボランチにおいた方がいいんじゃない?
とはいえ、相手の千葉はというと、こちらもアンカーの斉藤に展開力がなく、前にボールを運ぶことができない。そうなると攻撃は巻の頭を目掛けて放り込んで、あとはひたすらこぼれ球が味方の選手にこぼれることを願うのみというサッカー。しかし、ライン設定が東京の両翼に押し込まれていたこともあり、こぼれ球を拾えない。
結局前半はそのまま終了。
後半、千葉は負傷した池田に代えて和田を投入。どういうフォーメーションを組むのかなと思ったら、なんとCBに坂本を入れた。ただ、リーダーシップが取れる坂本をセンターに入れたおかげなのかどうなのか、千葉が全体的に高いラインを設定したせいか、ある程度巻からのこぼれも拾えるようになり始める。しかし、東京の方も高いラインの裏をつこうと何度か裏に抜け出る単発のチャンスがあったものの、縦パスの精度が低く決めきれない。そうした中、東京は浅利、鈴木と逃げ切りのカードを切り始める。千葉は1枚負傷交代でカードを切ってるので谷澤、下村というカード。
しかし、2002年のアイルランドのようにひたすら巻の頭目掛けて放り込んでいた千葉が、ラインが高くなったことと、東京の佐原、今野が消耗してしまったこともあり、75分ぐらいから巻が競り勝てるようになっていた。
そして86分スローインを谷澤がクイックで入れ、アレックスが中を見ずにマイナス気味にグラウンダーで入れると、それがちょうどボールウォッチャーになってしまっていた東京の選手の間を抜けフリーで走りこんだ巻の足元にピタリ。これを決めて千葉が同点に追いつく。これで会場の雰囲気は一気に千葉に。
さらにアディッショナルタイムに入ったところで巻が競り勝った球を深いが拾い谷澤に預けて、フリーラン。受けた谷澤が股の間を抜くスルーパス。東京の選手は誰も深井についていくことができず1対1を冷静に深井が決めて逆転に成功。
そしてまもなくタイムアップ。最後は劇的な幕切れとなった。
しかしながら90分通してみればお互い周囲の選手を追い越していくようなダイナミズムは全くない試合だった。千葉も最後は相手CBが消耗してくれたおかげでなんとか形にはなったもののチームとしての攻め手には掛けている。
ま、ひたすらロングボールって戦術もありっちゃありなんだろうけど、それで割り切れるのかどうか。サイドの選手のクロスの精度が低いことも問題。
東京は東京でいいタイミングでサイドにボールが入ったときはチャンスになるものの、普通のポゼッションは出来てない。これだったら梶山を低い位置で使ってビルドアップしてもらった方がいいよなぁ。今の東京はボールを奪った後の収まりどころがなく、ひたすらサイドに入れてアップテンポなサッカーをやるしかないところに苦しさがある。「ムービング」を標榜しているものの、ヒロミ時代のオランダ流というかバルサ流のワイドサッカーから未だ抜け切れていない。
ただ、現場でラスト15分の雰囲気を味わえたのは面白かったけどね。