スペインーイタリア

イタリアの守りに苦しんだスペインがＰＫ戦までもつれ込んだ勝負に勝ち、ついにベスト8の壁を破った。
スペインは1、2戦を戦ったメンバーに戻したスタメン。一方のイタリアはピルロ、ガットゥーゾが出場停止ということもあり、デロッシ、ペッロッタ、アクイラーニといったローマ勢を起用。また練習中にバルザッリが負傷しキエッリーニがパヌッチとＣＢを組んだ。大会前にカンナバーロ、大会中にマテラッツィ、バルザッリとイタリアのＣＢは呪われたかのように怪我人続出している。
試合の方は終始スペインが自慢の中盤を軸に支配するも、怪我人やら出場停止やらで恥も外聞もなく守り倒す名目が出来たイタリアが本領を発揮し、ＰＡ内の侵入をほとんど許さない。
スペインのチャンスはシルバの単発のミドルシュートぐらいだった。一方のイタリアも時折カウンターを見せるも、今大会ＦＷの軸にしたトニが不発。チャンスを生かせない。
そして勝負は両国が誇るＧＫをどう破るかのＰＫ戦に突入する。
ここで勝負を分けたのは延長で起きた出来事だった。延長でサイドライン際の競り合いでイタリアのディ･ナターレが足を打撲。一旦サイドラインを出て倒れこんだんだけれども、そのままフィールド内に転がって負傷をアピールする。ちょうど良い形でボールを保持していたスペインの選手は不満を露にする。またその行為を時間稼ぎの卑劣な行為と受け取ったイタリア人以外の観客から大ブーイングが巻きおこる。それはそのプレー以降ディ･ナターレがボールに触るたび続き、ＰＫ戦でもそれは同じだった。こういう状況の中で落ち着いて蹴れるとすればマテラッツィぐらいのものだろう、案の定そのＰＫはカシージャスにストップされ、スペインは最後のキッカー、セスクが落ち着いて決めて準決勝進出を懸念されていたＰＫ戦の末決めた。
試合自体はお互い負けたくないという気持ちが出過ぎてスペクタクルには欠けたものの、息苦しい緊張感を楽しむ試合となった。スペインは次にＧＬ1戦目を戦ったロシアとの再戦となるが、あの試合も先制出来た事で流れを手にしたんだけど、先制するまでの時間はロシアにもかなりチャンスを作られていた。どちらが先制点をとるかが鍵になりそう。